2025/04/26
北千住 買取 ポピー キングザウルス ガラモン バルタン星人 【銀座パリス北千住学園通り店】
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銀座パリス北千住学園通り店です。
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ポピー キングザウルス ガラモン バルタン星人
昭和の怪獣が蘇る——ポピー「キングザウルスシリーズ」の魅力
かつての子どもたちの心を鷲掴みにした「ポピー キングザウルスシリーズ」は、昭和の特撮ブームと共に生まれた伝説のソフトビニール玩具シリーズです。1978年から1983年頃にかけて、バンダイ傘下のポピーが展開したこのシリーズは、ウルトラマンシリーズを中心とした怪獣やヒーローを手のひらサイズに落とし込んだもので、そのクオリティの高さと統一感のあるフォルムで、多くのファンを獲得した。
最大の特徴はそのサイズと造形。約13cm前後の手頃なサイズに、怪獣ごとの個性を緻密に再現している点は、当時としては画期的だった。ソフビ人形というと、粗めの造形や塗装の個体差が当たり前だった時代において、キングザウルスシリーズは明らかに一線を画していた。全身のバランス、塗装の丁寧さ、劇中に近いフォルムなど、コレクションアイテムとしての価値も高かった。
ラインナップも秀逸で、初代ウルトラマンに登場するゴモラやレッドキングはもちろん、マニアックな怪獣や宇宙人まで幅広くカバーしている。さらに、ウルトラマン80までのシリーズを網羅していた点も、当時のファンにとっては大きな魅力だった。
現代の目から見れば、どこか素朴で、玩具然とした風合いがあるかもしれない。しかし、それこそが「キングザウルス」の魅力でもある。決してリアルすぎず、むしろ“おもちゃらしさ”を大切にしたデザインは、子どもの想像力をかき立て、遊びの中で怪獣の物語が自由に広がっていく余地を残していた。
現在では、復刻版や中古市場で再評価が進み、当時のオリジナル品はプレミア価格で取引されることも珍しくない。シリーズごとにナンバリングされた足裏の刻印や、独特のグレー色の台紙付きブリスターなど、コレクター心をくすぐるディテールも多く、まさに昭和玩具の“完成形”ともいえる存在だ。
子どもたちにとっては憧れのヒーローと怪獣を手にする喜びを、大人のコレクターにとっては昭和の思い出とノスタルジーを運んでくれる——キングザウルスシリーズは、今なお多くの心をつかんで離さない、タイムカプセルのような存在なのだ。
キングザウルスはなぜ「特別」なのか?——ポピー怪獣ソフビの再評価と文化的遺産
キングザウルスシリーズが登場した1978年は、昭和特撮が一つの転換期を迎えていた時代だ。すでに第一次怪獣ブーム(1966〜1971)は過ぎ去り、ウルトラシリーズも『ウルトラマンレオ』(1974)を最後にしばらくTVから姿を消していた。だが、その間も怪獣ファンの熱は完全には冷めておらず、雑誌『宇宙船』や『怪獣図鑑』などのサブカルメディアを通じて、じわじわと新たな需要が生まれつつあった。
ポピーがこのシリーズを立ち上げたのは、そうした“潜在的ファン層”を正確に見据えたマーケティングの結果だったとも言える。それまでのソフビとは一線を画す、統一スケール(約13cm)、ディスプレイに適したポージング、そして劇中準拠の配色や造形は、単なる子ども向け玩具という枠を超え、コレクション性を意識した「大人向けの怪獣玩具」の先駆けだった。
特に注目すべきは、造形監修を務めた原型師たちのこだわりだ。当時、円谷プロの資料すら充分に手に入らなかった時代に、映像を何度も繰り返し見て、画面の中の怪獣を立体として再構築するその情熱は、今見ても感嘆に値する。たとえば、バルタン星人の指先の開き具合や、ゴモラの背中の突起の角度、ゼットンのスーツ素材の質感表現など、当時のソフビとしては異例の“再現度”を実現していた。
また、シリーズ全体に統一感があるのも、収集欲を刺激する大きなポイントだ。足の裏には「KINGZaurus」ロゴと個別のナンバリング、背中や腕の内側には商品番号や著作表記が入っており、いわば“怪獣の戸籍”のような存在。これにより、コレクターたちはラインナップの網羅だけでなく、年代や販売時期の特定といった考察を楽しめるようになった。
キングザウルスシリーズは、やがて1980年代中盤の「リアル志向ソフビ」の流れに押されて終息するが、現代においてはむしろその“あえてリアルすぎない”造形が再評価されている。最近ではM1号やマルサンといったメーカーが当時の雰囲気を踏襲した復刻版を製作しており、キングザウルスはただの懐古ではなく、“文化的再生産”の対象となっている。
さらに興味深いのは、キングザウルスが与えた影響が玩具にとどまらず、現在のフィギュア文化の礎の一部となっている点だ。統一スケール、シリーズ展開、個体差の楽しみ、台紙デザインのアート性。これらの要素は現代の「S.H.Figuarts」や「超合金魂」シリーズにも受け継がれていると言っていい。
キングザウルスは、ただのソフビではない。それは昭和の怪獣文化を凝縮した“造形のアーカイブ”であり、時代を超えて怪獣を愛するすべての人に贈られた、静かなメッセージとなっています。
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